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「これ全部本物ってことですか?
「トルチェッロ島の伝説って
レスルレッツィオーネのこと?」 |
「L'amore millenario,dilagare dalla fontana...」
「千年の恋…」
「少なくとも日付の謎は解けた」 |
「世界樹ってんなんですか?」
「万物の命を守っているという大きな樹。
伝説の媚薬の力が復活して奇跡を起こす、
それが今日、2005年3月27日」
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「縹さんと千草さんは
使ったことあるってことでしょう?」 |
「ある」
「いつ?!」
「君に薔薇を贈った日」 |
「あたし、柴君と一度だけ…」 |
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「ぶっちゃけ、どうなっちゃったんですか?」
「だから、カーッとなって、ガバッ?」 |
「ふーちゃんの媚薬がない!」
「えっ?!」
「まさか…」 |
ブンッ (媚薬を見せる)
「入れちゃった?」
「ええええーーーー?!」 |
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「お姉ちゃんもいい加減冒険しなよ」
「あたしだけお嫁になんて行けないもん」
「あたしのせいなのっ?」 |
「って何笑ってんのよ」
「なんだよコレ」
「ちょ、ちょっと待て」 |
「来ないでよー!」
「あ、あやー!」
(バシッ)「お騒がせいたしましタ」 |

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おあああーーーっ?! |
「ただのリキュール」
「じゃあコレも?」
「いや、こっちは水みたいなんだよなぁ…」 |
「雪子さん…外国行っちゃうんでしょセンセ。
夕べウチで送別会やったのよ」
「?!」 |

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「君、誰かと一緒?」
「ううん!それはないわ」
「だったら…これっきりかもしれないし、さ」 |
「ちょっと、何やってんの?!」
「んー?こっちは試してないからさ」 |
「小父さーん冗談キツイぜ。
オレはもうてっきり…」 |
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「また、つまみ食いして…味噌」
「つまみ食いじゃなくて、味見!」
「ばか」 |
「あたし、隠し事してるわよ」
「なに」
「ほんっとに気づいてないのね」
「え…ホントに…?」 |
Amore millenario…
Amore… |
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「いいなあ…いい。
…あんた、もぐらに似てるね」 |
「庭に、ある日知らないお花が
蕾をつけていたら、それは、
もぐらのロボットの仕業かもしれません」
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「あなたが見ているものをみたかった。
あたしは、人間が今している事を見よう
って決めたの」 |
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「今度はね、カブールに行くんだ」
「…そういう仕事してたのか」 |
「遠いな…。イスタンブール。
あたしはこの街しか知らないんです」
「新しい街じゃダメですか、
生活、ありますよ、ちゃんと」 |
「甘いじゃんコレ、リキュールか」
「マジで?…うぇっ、苦〜」
「うそ?味覚おかしいんじゃ…」 |
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「なんで…そんなこと…」
「…欲しかったから…媚薬」
「やっぱり…知ってたんじゃん、媚薬のこと…」 |
「薔薇が咲くわ」
「鳥が歌う」
「悲しいのはイヤなの」
「…あなたがふさわしいのに…」 |
「コレだったのね、あの時の。
琥珀の瓶も持っていったけど
入れたのはこっちだったんだわ」 |
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「あたしはコレを使いたい」
「…今見ると、おもちゃみたいな
ベネチアン・ビーズだけど」 |
「使ってないよ」
「使ったのね」
「はい。…もうしません!」 |
「ウソじゃないから!飲めたから!
…死ぬ事なんて出来ないから!
本当だから!」 |
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「本当だから…飲めた」
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「先生、お姉ちゃん惑わすのやめてよ」
「いいの葉子、だってあたし胡桃さんのことも
好きになっちゃったんだもん」
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「Amico del cuore…
Buona dolce vita.」
「…Anch' tu.」
「スィー、もちろん」 |
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「これは初めから
“千年の恋”じゃなかったんだ
ミッレナーリオの意味は…永遠」
「アモーレは?」
「愛。恋じゃなくて」
「じゃあ…」
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「行こう」
「うん」 |
それぞれの、
祈りのシルエットが浮かび上がる。
誘うように微笑む、
ロミオとジュリエットの幻。 |
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祈る白金と雪子を包み込み、
やがてその愛は、
風に乗って流れて行く。 |
遠い、海の向こうへ…。
遥かな、異国の人々へ…。 |
カフェ“ドルチェ・ヴィータ”
窓から青葉が見えている。
初夏。 |
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陽気なラテンのリズムの中で…

Fine
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明るい夏の、虹色の光に彩られて、
コーヒーの香が、なぜか甘やかに漂う。 |
カフェ“ドルチェ・ヴィータ”は忙しい。
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