〜鈴木紀江編その3

伊東:大学卒業後は?
鈴木:会社勤めしたんですけど、これは私がやりたいと思っていることじゃないなと思って。
    どうせ苦労するなら、好きなことやって苦労したいなって思いはじめて・・・。
    実は社会人になって、大学の友達に頼まれて芝居に出たことがあったんです。
    2ヶ月友達の家に寝泊りして、昼は働いて、夜、芝居の稽古して。
    それがきっかけかなあ。
伊東:でも良く、東京の劇団を受ける決心したよね。
鈴木:いえ、前々から早く家を出たいっていう気持ちはあったんです。
鹿野:そうそう、早く家を出たいと思うんだよね、その頃は。
鈴木:それで大好きなリブレに入れたらと思って、リブレ受けるのも誰にも相談せず黙って・・・・。
伊東:両親は?
鈴木:事後承諾でした。
伊東:でも、会社辞めるだけじゃなくって、東京へ出て来るって大変なことじゃない?
鈴木:本当にリブレが好きで、ここに入ることしか考えないで面接受けに来たから。
    でももし入れてもらえてなかったら、まだ同じところで働いてたかもしれません。
伊東:こんなに生活が苦しいとは思わなかったでしょ。
鈴木:いえいえ、もっと貧乏だと思ってましたから。

伊東:鈴木はうちに入って、何本芝居にでたのかな?
鈴木:6本かな。
    「黄金の国」「渚家にて」「お母さんの選択」
    「ゴジラ」「閉ざされて」「赤い鳥逃げた・・・」です。
伊東:実際、出演してみてどう?印象に残ってる作品とかは?
鈴木:やっぱりデビュー作「黄金の国」は忘れられない作品です。
      
鹿野:ああ、あの俊ちゃん
(松戸)と共演してたサルの役?
    すごくよかったよね。俺、大好き。
鈴木:ありがとうございます。
    でも「お母さんの選択」はすごく苦しんで作ったし、
    「閉ざされて」は苦悩したまま、つかめなかったという感じです。
伊東:「お母さんの選択」のとき、
    鈴木はずーっと歩き方の稽古をしていたって聞いたけど・・・。
鈴木:そうなんです。
    出来なくて出来なくて、伊東さんからは「婆になればいいんだよ」といわれ、
    山岸さんから「あの役は砂色だよね」とアドバイスをもらい、
    とにかくあの時代に生きた人間になろうと思って、
    そのイメージで歩くことからはじめました。

伊東:あの時は、ある日突然変わったっていう印象なんだよね。
鈴木:でも1度出来ても、なぜか次がまた出来るってわけではないんですよね。
    今、また悩んでます。
(*「流れ去るものはやがて流れて」でお婆さん役を稽古中でした)
伊東:鈴木は今のリブレにとっては、数少ないキャラクター女優で、貴重な存在だと思う。
    でもやっぱり、芝居は、やってるメンバーが楽しんでなければ、
    お客さんには楽しんでもらえないと思うので、そこまでいって欲しいな、今回も。
鈴木:そうですよね。今、高校の演劇鑑賞会で公演していても、つくづくそれは感じます。

伊東:好きな役者さんとか、あこがれの女優さんとかはいますか?
鈴木:離風霊船大好きなんで、あこがれの女優はもちろん伊東さんです。
伊東:ふふふ・・・聞いたか諸君、で、私以外では?
鈴木:大竹しのぶさんです。
    「鉄道員(ぽっぽや)」という映画の、子供が出来たと高倉健に伝えるシーンで、
    「大好きな人の子供ができたのが嬉しい」っていう、
    だんなに対する愛情の深さを感じたんです。すごいなって。
    わたしもあんなふうに伝えられる女優になれたらいいなって思いました。
伊東:大竹しのぶは私のライバルなの・・・なんちゃって。
    是非、伊東を継ぐ女優になってください。大いに期待しています。
    で、次はどなたに・・・
鈴木:えーでは、すてきな先輩、倉林さんに。
伊東:次回は鈴木から倉林へのインタビューということで、本日はありがとうございました。


「お母さんの選択」より

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