〜大橋泰彦編その1


津谷:本日は大変お忙しい中、わざわざ足をお運びいただいて、ありがとうございます。
    本日、栄えあるインタビュー第一回にお答えいただくのは、主宰の大橋泰彦さんです。
大橋:光栄です。
津谷:よろしくお願いいたします。

津谷:ではまず、早速ですが劇団を作ったきっかけというのは?
大橋:もう一人の主宰の伊東由美子さんが、大学は出たものの就職するあてもなく、
    暇なのでひとつ劇団でも作ってみないかと言われて、
    私そのころサラリーマンでしたが・・・      ・・・・作ってみました。
津谷:・・・・・。
    ・・・あのぉ・・・伊東さんと「こういう芝居をやりたいね」とかそういうお話のもとに・・・では?
大橋:それはね、大学時代にやってたことをそのまま続けてやりたいねということで。

津谷:お二人はどういったお芝居をやりたいと思っていたんですか?
大橋:まぁご承知の通り、派手な舞台・・・舞台装置とかですね、音楽とかですね、
    衣装とか諸々、とにかく派手な芝居をしてみたいなと。
    ちょうどその頃ね、シンプルな舞台というのがはやり始めていて、それに歯向うように
    ゴテゴテと飾って芝居をやりたいなというところで始めたんですね。

津谷:離風霊船の名前の由来は?
大橋:結成当時にフラメンコをやっている役者がいまして、彼が「リブレ(スペイン語)」
    という言葉があるから、それを劇団名にしたいということで、
    新宿の喫茶店に集まって辞書を片手にそれに漢字を当てた。
    で、最後に伊東さんが「船」をつけたいというので「離風霊船」になりました。

津谷:今年で20年目を迎えますが、この20年間で大変だったこと、楽しかったことは何ですか?
大橋:それはいっぱいあるけどね。
    いちばん大変だったのは劇団の旗揚げから2回目の公演で、
    横浜でテントを立てて芝居をやった時(伊東由美子作・演「風の牛若丸」)。
    これは大変だった。テントの骨組みはできたものの、屋根が大きいテントシートなんだけど、
    それを張るのに丸二日くらいかかっちゃったのかな。
津谷:逆に際立って思い出に残っている楽しかったってことは?
大橋:岸田戯曲賞の発表がある日に、僕が家で電話の結果発表を待ってて、
    劇団員は渋谷の「たこぎく」っていう行き着けの飲み屋さんでその発表を待ってた。
    ノミネートされたのも初めてだし、ノミネートされただけで皆喜んでて、
    僕の結果を聞いて残念会をやるつもりで皆待ってて。
    そしたら電話がかかってきて「受賞しました」と言われて、
    垂れ幕とかケーキとか花束とか、渋谷中走って買いあさって、
    それでそこの飲み屋さんで受賞記念パーティーみたいなのが始まっちゃって、
    その日は朝まで飲んでね。それがいちばんの思い出。

津谷:普段テレビとか映画とかを見て、どういうものに惹かれますか?
大橋:ビデオ屋に行って今いちばん借りてるのはサスペンスかな。
    その日の気分で文芸大作とか借りるんだけど、気持ちが重いときはね、
    どっちかっていうとサスペンスものでスカっとしたいな、と。
    裁判ものとかスパイものとか。
津谷:純粋に娯楽なものは見ないんですか?コメディーとか。
大橋:コメディーはねぇ、あんまり見ないな。
津谷:今まで見たもので、小説なり映画なりオススメのものは?
大橋:何年も前だけどあれは面白かったな、「CUBE」。

津谷:何かを書いたり作り上げたりする人って、小説とかお芝居とか映画とか、
    どっかしらで何かの影響を受けてると思うんですけど、
    大橋さんは
どこから影響を受けてるんですか?
大橋:あのね、面白いことに、その映画とはまったく関係ない題材の芝居が、
    ふっと思いつくんだ。でもね、最近は年とって、映画見終わるころには忘れてんだけどさ。
津谷:えーーーそれは・・・(笑)
大橋:だから最近はよっぽどいい案だと思ったら、ビデオ止めて書き留めるようにしてるんだけどね。
津谷:メモ帳用意しといてください。

津谷:前、つかこうへいさんのお芝居からってお聞きしましたが。
大橋:もともとはね、やっぱりつかこうへいの芝居から始まってるかな。
津谷:伊東さんは違う路線なんですか?
大橋:伊東さんはどっちかっていうと唐十郎から始まってるかな。お互い、もうずいぶん離れてるけどね。

津谷:大橋さんは最初から作家とか演出家という形での参加だったんですか?
大橋:大学の演劇部に入ったころは、作品を書くよりむしろ裏方をやりたくて。
    役者に関してはまったく興味なかった。
    でもね、大学1年生はやっぱり役者をやらされるわけさ。
    大学1年2年と役者やってるんだけど、3年になって先輩がいなくなって自分たちだけになったんで、
    どんな作品をやろうって書き始めたのがきっかけかな。
津谷:昔書いた作品をもう一回読み直してみたいなぁとかは?
大橋:いやぁ恥ずかしいよね。この間「四畳半床ノ下」やった時も、読み返した時は結構恥ずかしかったね。
津谷:そうですか?劇団の役者の皆さんには好評で、
    こういう雰囲気のをやりたいって言う人は結構いますが。
大橋:読みながら、やっぱり若いなぁとか思っちゃうなぁ。


インタビュアー:津谷知子

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